Trasures

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Installation
Oct.2020  My perspective

写真・映像について考える。普段、目では見えないものをカメラで撮影して、プログラムを介して伝える。


My perspective

街並みが水たまりに反射し、風で揺らめく様子を眺めていて、それを再現したいと思い、制作をはじめた。モールス信号のリズムで打ち出される波で水面を揺らし、その水面に映るLEDの変化を写真として切り取る。キーボードで打ち込まれた文字が波紋となって広がり、壁に跳ね返ったり、次に打ち出される文字とぶつかったりしながらだんだん消えていく。ソレノイドの制御にprocessingとArduinoを使い、LEDの色変化はArduino、一眼レフをスクリーンに出力し、フレームレートを変更するためにp5.jsを使った。

そのほかに、Webcamを使ったインスタレーションを2つ制作した。コンピューターを使って何を動かせたら楽しいか、面白いかを写真・映像をベースに考えた。制作中に普段の制作とは違う展示特有の課題があって、それを解決していくのに苦労した。やはり展示は会期中ちゃんと動かなくてはいけないので、安定して動くようにするための課題が多かった。

OUTLINE
概要


                   
設定授業の成果展示
コンピュータの入出力装置や、電子工作についての理解を深め、最終的にキーボードインタフェースを使った簡単な入力装置の自作と、それを利用するプログラムが実現できるようになる。
       
コンセプト写真・映像について考える
       
制作時間2か月(講評日2020年10月22日)
       
使用機材WindowsPC, プロジェクター, スクリーン, モニター, キーボード, 一眼レフ, Webcam, Arduino, フルカラーLED, ソレノイド
       
アプリケーションillustrator, lightroom, processing, arduino

PRODUCTION PROCESS
制作過程


< 反射撮影 >

< ソレノイド >

<水面装置>

構想・実験
In The Well

自分が見たいもの、動かしたいものは何か考えた。

         
実現目標普段スナップするときに面白いと思った水たまりに反射する街並みの様子をコンピューターを使って面白さを伝えたい
         
「水面の反射をきれいに撮影する」
___水槽を黒く塗装した
          
「どうやって水面を揺らすか」
___確実に大きく揺らすためにソレノイドを使い、直接水面を叩く
         
「ソレノイドを動かす(水面を揺らす)タイミング」
___キーボードで打った文字のモールス信号のリズムでたたき出されるようにした
         
「何を反射させるのか」
___虹のような色で移り変わるようプログラムした16×16のフルカラーLED
         
「カメラの設定」
___シャッタースピード1/1000、F 値5.6、ISO6400、なるべく速いシャッタースピードにするべく設定した

< サイズ、密度の検討 >

< 立体感の確認 >

< 速度の検証 >

構想・実験
Pixel View

「目で見る」とはどういうことなのかを考える

         
実現目標カメラが世界をどうやって見ているのかを表現することで、カメラと目の違いや同じ部分を面白がってほしい。
         
「ピクセルの動きを想像して再現」
___絶え間なく自分に向かってピクセルが過ぎ去っていくような動きにした
___また、過ぎ去る速度を輝度によって変えた

< プロトタイプ >

< 大人数実験 >

構想・実験
Yarn

知覚できないものを見る

         
実現目標目には見えないけど、確かにそこにあるものを見るためにはどうすればいいのか。見える化ができたなら、なぜその方法で見えるようになったのかを考えてもらいたい。
         
「ヒトやモノの繋がりを見る」
___背景差分の考え方を使い、動く物体を線で繋ぐ
変化があった場所同士を線で繋ぐことで、一人だと内部が線で構成された人影が現れたり、二人以上だと、他人同士が線で繋がって、複雑なグラフィックになる様子が表現できた。

DELIVERABLES
成果物


< 展示風景 >

In The Well

         
機材WindowsPC、キーボード、一眼レフ、三脚、Arduino、フルカラーLED、ソレノイド
       
制作意図普段目で見えないものを見るのは写真の役割の一つだろう。水面の揺らめきを連続写真として映し出す。また、水面をモールス信号として叩くことで、波面が広がり、ぶつかり、消えていく様子を、言葉が声として発せられ、他人に影響を与える様子に重ねた。
       
今後の展望叩かれた文字同士の違いを絵として分かりやすくする、シャッタースピードをリアルタイムで変更する、光源を動かす、など。

< 展示風景 >

< 展示風景 >

Pixel View / Yarn

         
機材WindowsPC、Webcam
         
制作意図(Pixel View)カメラはピクセル化して世界を平面的に切り取るが、ピクセル自体が空気中に存在したらどう見えるのかを考え、自分なりのピクセルを体感してもらいたかった。
       
制作意図(Yarn)繋がりをグラフィックで表現するとき、繋げたいもの同士を離して線で繋ぎがちだ。それはつまり、離れて初めて繋がりは知覚できるということだ。
       
今後の展望どちらの作品も人物を認識しているわけではないので、認識させて正確性を上げる。

< 実験 >

< 実験 >

< 作品キャプション >

< 作品キャプション >

< サイン >

< 映し出された波面 >

< 展示ポスター >

< キャプション >


波を立てるソレノイドと、水面に反射するLED。水面が揺らめいているときとそうでないときの反射の違いを見せるためにソレノイドとLEDの色の移り変わりに関係性はない。

水槽を直接覗き込んでみえるものと、カメラが映し出したものの違いを楽しめるように、カメラの映像を連続写真としてリアルタイムで出力するのに苦労した。

REFERENCES
参照


2020年8月27日撮影

Fujifilm X-E1 焦点距離50mm 江戸東京たてもの園で撮影

メタボール

http://www.joetakayama.com/waterdrops.html

Rez

https://rezinfinite.com/ja/

PIXELS

https://www.sonypictures.jp/he/969297