Trasures

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Installation
Jan.2021  Perspective Draw

パイロット視点で絵を空間に描く。自作の入力デバイスを制作する。ネットワーク通信させてみる。


Perspective Draw

空間に絵を描きたいという思いからスタートした。しかし、空間に絵を描く装置は探せば見つかるので面白みがないと気づく。さらに、実際に空間に描くのではなく、ペンを動かした軌跡をディスプレイに表示すると、それまで描いた線の位置をどうやって把握しながら描くのかという課題が出てきた。そこで空間に絵を描くという行為を飛行機雲に置き換えることで、これまでのペンと描く人の視点が切り離されていたものをパイロット視点で描くという新しい視点でペンと視点を一致させることで、絵の中に入りながら、空中を自由にドローイングできるのではないかと考えた。

一番苦労したのは、パイロット視点の実現である。正面と天面に設置したWebcamでペン先の座標を取得することは容易だったが、視線の向きをどうやって取得すれば良いのかについて悩んだ。加速度センサや地磁気センサで取得することも考えたが、ペン型デバイスの小型化やコーディングのしやすさなどから、ペン先の座標以外に視点の座標もWebcamで取得することでその2点を繋いだ線を視線とすることができた。

OUTLINE
概要


                        
設定授業課題
3年ゼミ展
デバイス、プログラム、インターネット
       
コンセプトパイロット視点で絵を空間に描く
       
制作時間2か月(講評日2021年1月8日)
       
使用機材WindowsPC, MacPro, Webcam2台, プロジェクター, ディスプレイ2枚
       
アプリケーションprocessing, illustrator

PRODUCTION PROCESS
制作過程


< 進捗報告 >

< 進捗報告 >

構想・プログラム

一方は座標を取得して送信、他方でデータを受け取って描画するプログラム。そしてペン型デバイスの制作。

               
制作上の課題
1.2面に設置された2台のWebcamに必ず緑LEDと赤LEDどちらとも映るようなペン型デバイスの制作
       
2.正面のWebcamの映像からペンの緑LEDと赤LEDを読み取り、それぞれのxy座標を、天面のWebcamではz座標を取得し、その座標をパイロット視点で描画するプログラムと地上から見るような視点で描画するプログラムの2つのプログラムに送信する
       
3.受け取ったデータを使い、描画していく。その上で、時間が経つごとに描かれた線を薄くしていき、一定時間が経過した線を消していく。
    
「パイロット視点をどうやって実現したか」
___ペン先の座標以外に視線の情報が必要だったので、ペンの持ち手の方の先の座標も取得することで、2点を結んで視線とした。色の選定については、単色LEDで赤、青、緑から2色の組み合わせを全て試し、認識の精度が一番良かった組み合わせとなった緑と赤にした。
         
「ペンの座標の取得するプログラムについて」
___緑を例にすると、まずLEDが発光していないときにデータを送らないようにRGBでのGの基準を決めておく。そして毎フレーム画面のピクセルを調べて、基準となる値以上のGがあった場所で最大の場所を送信する。ただ、RGBの白に反応しないようにRとBがある程度低い場所という条件はつけた。
         
「データの送信方法」
___今後の展開で何かできるかもと考えOSC通信させている。離れた場所からでも同じ空間に描くことが可能である。実際今回の展示では、Webcamで座標を取得するのはWindowsPCで、パイロット視点を描画するのはMacProになっている。
         
「描かれていないときどうするか」
___描かれないと画面が真っ暗になってしまうので、ゲームでいうロード画面を作った。

DELIVERABLES
成果物


< 展示 >

インスタレーション

         
制作意図新しい描画体験を模索する。
       
今後の展開この作品はペンの座標をLEDの色で取得しているので明るさに弱い。明るさに関わらず座標を取得する手段が欲しい

< ドローイング >

< ペンの軌跡 >

< 前面Webcam >

< 天面Webcam >

< キャプション >

作品の都合で空間を暗くしなければならなかったので、キャプションを黒背景でディスプレイに表示させた。

< キャプション >


webcamで認識できる範囲がキャンバスとなるので、その範囲を伝えるために額縁を設置した。

マッキーを利用してペン型のデバイスを制作した。スイッチを押すと光る単純な仕組みになっている。

REFERENCES
参照


空の彼方へ伸びていく「ひこうき雲」の写真11枚

https://news.livedoor.com/article/detail/3886540/

G.M.L Graffiti Markup Language

https://www.youtube.com/watch?v=39y1ktg_Vzo