Trasures

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Photography
Dec.2019  Tibro Esaler

全身で文字を書く、街に文字を置く、描くと読むを切り離すという体験を写真集にまとめる。


Tibro Esaler

俺らの周りにはプリント、オンスクリーンともに機械によって彫刻された文字で溢れている。凄まじいスピードで彫刻されるそれらの文字はタッチスクリーンでスクロールしながらそれ以上のスピードで読まれることに適していると思う。しかしこの超高速の文字のやりとりに慣れてしまったために忘れてしまったものがあるのではないかと考えた。つまり、俺は身体によって彫刻された文字のエモさを伝えたかった。この企画のメンバーである3人でライトペインティングアーティストとして作品をつくり、それらを写真集にした。暗い場所ならどこにでも描けることがライトペインティングの強みなので積極的に街中で描いた。

街中で描くことでその街のもつ偶然性とライブ感がシャッターが開いて閉じるまでの限られた時間にぎゅっと閉じ込められる感じが打ちこんだ瞬間完成される文字との違いを際立たせてるように思った。そして前からグラフィティが好きでやってみたいと思っていたので、ライトペインティングという形で合法的に美術作品や交番などの絶対できないであろう場所にボムれたことが嬉しかった。

OUTLINE
概要


                   
設定授業課題
タイポグラフィーに関すること(グループワーク 3 人)
       
役割アイデア出し、作品制作(文字描き・撮影)、写真集の表紙デザインを主に担当
       
コンセプトライトペインティング+タイポグラフィ
       
制作時間2 か月( 講評日2019 年12 月13 日)
       
作品サイズB4 縦79 ページ(オンデマンド印刷)
       
アプリケーションillustrator, lightroom, processing

PRODUCTION PROCESS
制作過程


< アイデア出し01 >

< アイデア出し02 >

< 実験(キメラ)>

企画会議

チームメンバーとアイデアを出し合った。

                   
ボツ案フォント家系図(キメラ)
尻文字パフォーマンス
               
決定案ライトペインティング+タイポグラフィ+アーティストのブランディング
ライトペインティングの身体性、偶然性、即興性で文字を感じる
               
成果物ライトグラフィティの写真集(説得力を持ったページ数)
Instagram の運用
                       
アーティスト名撮影した文字を識字するために写真を反転させる工程にならって、
軌道を意味する “orbit” とシャッターを切るという意味の “release” を逆にし、
読みやすく調整した。

DELIVERABLES
成果物


< 表紙ボツ案 >

写真集

                   
機材一眼レフ、三脚、LEDライト( 光量が必要な場合)、
スマートフォン(processing でライトペンとして機能するようにした)
       
制作準備文字のラフスケッチ、ロケハン
                       
制作全身で文字を描く難しさを知り、クオリティを上げるためにほぼ毎日撮影した
写真のレタッチ、写真集のレイアウトは2 人に任せ、表紙デザインをした
表紙は、作品をトリミングしてライトの軌跡を魅せるように意識した

< instagram サムネイル >

< instagram 作品ページ >

ブランディング(広告)

         
メディア選定今回のアーティストのイメージを話し合い、Instagram で作品を公開することに決めた
                 
投稿準備作品のキャプションを練った
ハッシュタグの選定はほかのメンバーが行った
       
運用作品を淡々とキャプションを添えて投稿していった

< Tibro Esaler >
貸しコンテナの前で撮影。 中央には「TIBRO」の文字。乱雑に刻まれた文字は三者三様。心のうちに 秘めた言葉。

< JUSTICE >
アニメやマンガでは敵にも敵なりの正義がある。だから、正義感があると言っている奴は嫌いだ。

< 愛 >
不格好になったとしても、周りの邪魔すら味方につけて愛を表現したい。

< 罪と罰 >
俺たちなら美術作品にだって文字を刻める。

< I AM HERE >
長秒露光という撮影法の特性上光を発さずに動いている人は写真には映ら ない。それでも確かにそこにいたのだ。自分はいたのだ。

< 愛 / 火 >
全てを受け入れてくれるような神社の雰囲気、また参拝に来る人々の心情を表現した。
火は古から神聖なものとして扱われてきた。また、火は人が生きていくのに必要不可欠なものであり、 暮らしを豊かにしてくれる反面、猛威を振るうこともある。火を神様という概念と重ねた。


まるでグラフィティをボムるかのようにライトで文字を描く様子。描いている姿も、通行人も作品には映らない。ライトはprocessingでインクの出方や、ペン先のサイズ、インクの色まで変更できるようにした。

下書きの段階で見ずにどこまで描けるか、書き順はどうするかを考えた。紙にインクで書く文字との差を味わってもらうためにも写真集にその下書きを載せた。

REFERENCES
参照


ライトグラフィティ

https://www.pinterest.jp/pin/529947081128135784/?d=t&mt=signup

スローアップ

https://japoneco.com/grafity/

小見山 峻

https://www.instagram.com/p/B3DZiYCHjXZ/?utm_source=ig_web_copy_link

FIGURES OF SPEECH

Published in 2019 by Museum of Contemporary Art Chicago and DelMonico Books・Prestel Page 132