Trasures

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Installation
Dec.2020  Wind direction

「風向きが変わる」という現象とその言葉の意味について考える。コンピュータで風を操ってみる。


Wind direction

授業のテーマが「自然と対応」に決まったので、自然について調べていくと「日本人にとって自然とはなにか」という本に「自然」という言葉がどこで生まれ、いつ日本に入ってきたのか、またその使われ方の変遷についての記述があり、さらに各国の自然に対応する言葉から国によって自然についての考え方が異なることがわかった。自然現象についてを言葉の意味から考えることの面白さを知ったので自然の中でも特に風に注目して「風向きが変わる」という言葉の意味である「物事に追い風・向かい風が吹くという有利・不利な状況」について自分なりに考え、さらに実際に風をリンクさせて吹かせてみるというチャレンジをした。

自分自身がこれまで体験してきた追い風、向かい風について考えたとき、どちらとも現状の空気感からの変化が大きくなった際に追い風や向かい風が吹くものだった。ただ空気感は簡単にセンサで読み取ることができない。そこで空気感を他の何かで知る必要があると考えた結果、人やモノが出す音に注目した。急激な音の変化(高低差)があったときに風向きが変わるプログラムとなった。また、風は目で見ることができないので、Webcamを使い、風のグラフィック化を試みた。

OUTLINE
概要


                        
設定授業課題
インタラクティブモーショングラフィックス
processingやArduinoを使ってインタラクティブな作品を制作する
       
コンセプト追い風、向かい風を体験する。
       
制作時間2か月(講評日2020年12月19日)
       
使用機材WindowsPC, Arduino, サーキュレーター2台, Webcam, 大型ディスプレイ ,ディスプレイ
       
アプリケーションprocessing, illustrator, Arduino

PRODUCTION PROCESS
制作過程


< リレー >

< 実験 >

構想・プログラム

造形数理的視点から離れて自然を数値で表す

         
ボツ案デジタル水溜り
       
決定案サーキュレーターで追い風、向かい風を起こす。
               
実現目標風のグラフィック化
グラフィックとサーキュレーターをリンクさせて追い風、向かい風を切り替える
    
「風向きを変える瞬間をどう決めるか」
___その場のトーン(音程)の変化が大きくなったときに風向きが変わるという仮説を立てた。その仮説に基づき、大きな音がしたらその音程を保存しておいて、ひとつ前に保存した音程との差が大きかったら風向きが変わるようなプログラムとした。
         
「風自体をグラフィックで表現できるか」
___風に揺られた草原や旗など風自体ではなく、風が吹いたことによる事象で風を表現することが多い気がする。この作品では風自体を表現しようと試みた。現実世界の最小単位を原子、ディスプレイの中の世界の最小単位をピクセルだと仮定すると、ピクセルが流されるようなアニメーションにすることで風を表現できるのではないかと考えた。
         
「プログラムをブラックボックス化しないために」
___今どんな処理を行っているのかを鑑賞者に伝えるためにダイアグラムを制作した。

DELIVERABLES
成果物


< 展示 >

Tailwind(追い風)/ Headwind(向かい風)

         
制作意図言葉と現象をリンクさせる。風に関する言葉「追い風」、「向かい風」の使い方に合わせて風を起こす。
       
今後の展開大型ディスプレイに表示しているグラフィックをVR空間で表示する

< Tail wind (追い風) >

< Head wind (向かい風) >

< 展示全体ポスター >

< ダイアグラム >


マイク入力をいつ受け取ってどんな処理がされているのかをダイアグラムとして表示した。

アルミホイルにフルカラーLEDを反射させてポスターのグラフィックに使用した。自然とコンピュータの融合的な世界観を表現した。

REFERENCES
参照


日本人にとって自然とはなにか

https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480683571/